【2022年】ビル管試験の出題範囲で変更になった法改正をポイント解説!

こんにちは、しばやんです。

ビル管理士こと建築物環境衛生管理技術者が仕事をしていくうえで遵守する法律「建築物の衛生的環境の確保に関する法律(以下、建築物衛生法)」の一部が改正されました。

改正の内容は、すでにビル管理士として仕事をしている人以上に、これからビル菅試験を受験する人の方が影響が大きいと思います。

なぜなら、改正後の試験には「改正された数値や内容を用いて出題される」からです。もちろん、必ず出題さるわけではありません。

そこで、改正される内容の中でも、特にビル菅試験の出題範囲内の内容をピックアップして解説していきたいと思います。

(今回解説する内容は、令和3年12月24日公布され令和4年4月1日施行される改正内容です)

条文の番号(〇〇条)を記載していますが、決して覚えないで下さい。経験上、条文の番号を解答することはありません。あくまでも参考でOKです。

一酸化炭素の含有率

建築衛生法 施行令第2条(建築物環境衛生管理基準)の変更です。

居室における一酸化炭素の含有率の上限値が「10ppm(100万分の10)以下」から「6ppm(100万分の6)以下」に引き下げられました。

さらに、一酸化炭素の含有率の特例が「削除」されました。

大気中の一酸化炭素濃度が10ppmを超えて、基準値以下にすることが困難な場合に上限値を20ppm以下に緩和することができた特例です。

法改正後、居室における一酸化炭素の含有率の上限値は例外なく「6ppm(100万分の6)以下」になりました。

※変更の背景には、WHO(世界保健機関)が、2010年に室内空気質ガイドラインとして、7mg/m3(24時間値、6.0ppm(20℃換算値)、長期間ばく露)を追加したことにあります。

一酸化炭素の含有率は、「6ppm(100万分の6)以下

温度

建築衛生法 施行令第2条(建築物環境衛生管理基準)の変更です。

居室における温度範囲の低温側の基準が、「17℃」から「18℃」へ変更になりました。

居室の温度の基準が「17~28℃(居室の温度を外気温より低くする場合はその差を著しくしない)」から「18~28℃(居室の温度を外気温より低くする場合はその差を著しくしない)」へ変更になります。

※変更の背景には、WHO(世界保健機関)が低温側の室内温度のガイドラインとして18℃以上を勧告したことがあります。これは冬期の高齢者における血圧上昇への影響等を考慮したからです。

温度は、「18~28℃(居室の温度を外気温より低くする場合はその差を著しくしない)」

建築物環境衛生管理技術者の選任

建築衛生法 施行規則第5条第2項~第4項の変更です。

建築物環境衛生管理技術者を選任する場合に、「同時に複数の特定建築物で選任(兼任)できなかった」のが「兼任できる」ように変更されました。

ただし、無条件で兼任できるわけではなく「兼任しても業務に支障がないこと」が条件となります。

出題された場合の表現として「建築物環境衛生管理技術者は兼任することができない」は間違いになります。条件はありますが「兼任」はできます。

さらに、帳簿書類と保存期間についても変更されました。兼任をしても業務に支障がないことを確認した結果を記載した書類(確認書)と保存が必要になりました。

確認書は、兼任期間(ビル管理者が兼任している期間)中はずっと保存する必要があります。

※変更の背景には、兼任を許可していた自治体の実績として兼任による問題がほぼなかったことがあります。そして、インターネット環境(通信環境)の活用により遠隔監視・継続監視が可能になりリアルタイムで基準値管理が可能になっていることもあるようです。

建築物環境衛生管理技術者は複数の特定建築物で選任(兼任)ができる。ただし、業務に支障がないことを確認する必要あり。確認した結果を記載した書類とその保存が必要!

まとめ

法令の改正部分が必ず出題されるわけではありません。しかし、特に数値の変更部分は重要です。

なぜなら、勉強した古い知識で改正後の数値を見た場合に「誤っている」と勘違いして、問題の選択肢を消去して、誤った解答をしてしまう恐れがあるからです。

これから試験勉強を始める人は、まず変更された内容をテキストに書き込みましょう。特に、最新版のテキストではなく中古本を利用している人は注意してください。

今回、解説した法改正の詳細を勉強したい人は、厚生労働省-建築物衛生に関する主な制度改正情報を参考にしてみてください。

しばやん調べで完璧ではありませんが、今回の法改正によって解答や解説が変わってきそうな過去問題をまとめた記事もありますので、こちらも参考にしてみてください。